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最新人材マネジメント情報

ビッグデータ時代の組織づくりのヒント

ITを通じて組織の物理的な壁が低くなった結果、企業戦略の考え方も人の働き方も変化している、ということを先に述べました。では、そもそも、組織の壁がなくなった時に、組織そのものはどうなるのでしょうか?壁がないとしたら、その形や範囲についてどのように考えることができるのでしょうか?そして、組織を力強く再生するために、何をしたらよいのでしょうか?


組織を成り立たせる最低限の要素に立ち戻る

それを考えるためには、組織を成り立たせる、組織の最低限の要素に立ち返ってみることが近道と言えます。組織論の古典によれば、組織が成り立つための最低限の要素とは次の3つです。(※)

● 協働する目的
● コミュニケーションの経路
● 協働意欲が保たれる仕組み

一例として人事部門をイメージして、もう少し具体的に表現すると、次のようなことになるでしょうか。

● これまでの部分最適では達成できない大きな目的を再定義する・・・たとえば、「人事情報を組み合わせて管理者や社員一人ひとりに提供することで、キャリア形成の意思決定の質を高めよう!」
● その大きな目的に向けて、関係しうる全ての組織や人の間におけるコミュニケーション可能性を開く・・・たとえば、「メンバー一人ひとりに改善・イノベーションへのミッションを与えるとともに、他の社員からの照会への協力義務をも負わせる」
● すぐに成果が出て、その効果がわかりやすい、いくつかの短期的プロジェクトを公式に設定する・・・たとえば、「採用年度×採用方法毎に、残存率や、パフォーマンスの状況、モチベーションの状況をデータでトレースし、採用方法の良し悪しを検証するプロジェクト」

組織を成り立たせるこれら3つの要素に目を配り、再構築していくのが、これからの時代のリーダーであると言えるでしょう。

※これら3つの要素に遡って、境界がない組織運営の論点を整理しようとしたのが、拙著『多元的ネットワーク社会の組織と人事』となっております。


境界のない開かれた組織づくりの手法

境界のない開かれた組織づくりをするために、具体的に何から始めたらいいのか・・・それを実践するための手法として、ビジネス分野の手法ではなく、社会運動を組織化する手法である、「コミュニティ・オーガナイジング」の手法が参考になるかもしれません。

社会運動においては、それこそ組織の境界はありません、しかし、一定の目標に向けて効果的に役割分担を行い、物事を効果的に進めなければなりません。それを進めるための手法は、境界なく、部門横断的、企業横断的に物事を進めなければならないビジネスにおいても大変に役立つと感じられます。

コミュニティ・オーガナイジングに関しては、2008年の米国大統領選挙でオバマ大統領の選挙参謀としてオバマ大統領を当選に導いた、マーシャル・ガンツ博士が提唱する手法・マニュアルが公開されていますが(http://communityorganizing.jp/co/marshallganz)、それは、自分のストーリー、我々のストーリー、そしてそれを「今」に統合するストーリー、の3つのストーリーづくりを中心とするものとなっています。

そのマニュアルの中で、リーダーのメッセージの手本として挙げられているものは、オバマ大統領が政治家として国政の表舞台に踊り出る出発点となった、2004年7月の民主党全国大会の有名な演説なのですが(https://www.youtube.com/watch?v=eWynt87PaJ0)、それを改めて聞いていると、これまでの建国理念を忠実に踏まえつつ、そこに新しい事実や視点を吹き込んで再生する、国家再生のメッセージとなっていることがよくわかります。何度も聞いていると、企業社会の因習の中で四苦八苦してしまいがちな我々の世界観も変わってくる気がします。ただし、内容自体はアメリカのものですので、我々の国、我々の社会、そして我々の会社に当てはめた時にはどうなるか、根本から、考える必要があります。自社の創業理念に立ち返ってこの演説ができれば・・・と思うのですが。


プロフィール

写真:南雲 道朋(なぐも・みちとも)
株式会社HRアドバンテージ取締役
南雲 道朋(なぐも・みちとも)

株式会社HRアドバンテージ取締役。富士通でシステム開発企画、マーサージャパン等の外資系コンサルティング会社で業務改革/マネジメント改革/組織改革/人材開発を横断するプロジェクトの企画・推進を行ってきた。分野を横断するシステム思考の実践を基本姿勢とし、近年は人と組織のデータ活用の仕事に注力している。著書に、『多元的ネットワーク社会の組織と人事』(ファーストプレス)、『チームを活性化し人材を育てる360度フィードバック』(共著、日本経済新聞社)、『図解戦略人材マネジメント』、『実践Q&A戦略人材マネジメント』(以上共著、東洋経済新報社)がある。

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