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平均よりも順位・・・ランキングが命

人材マネジメントにサイエンスを、との思いから、人と組織のデータ活用のご支援を日々行っていますが、データを扱う上では、統計的な処理を施します。平均・分散・偏差値・・・全体の傾向がどうであるのか、全体の傾向の中で、ある特定の人やグループはどのように位置付けられるのか・・・

その中で、平均点が100点満点中の57点とか、そういうデータではなく、「端的にランキングを出してくれ」というお客様がいらっしゃいます。「うちの会社はランキングが好きだ」と。人のランキング、部門のランキング・・・

しかし、ランキングの数字とは、対象間の相対的な関係を示しているだけの数字です。望ましい水準が100ポイントだとしたら、それに向けてどれだけ達成できているのか、果たして本当に望ましい状態にあるのか・・・ということはわかりません。統計的な処理を施そうにも、量的な情報が(対象が100個あるとしたら)1から100の連番になってしまうだけですから、データとしての正確性が失われてしまいます。

・・・というように長らく考えていたところがあったのですが、実は、ランキングこそが組織にとって、ひいてはビジネスにとって、本質的な値なのではないか、とだんだんと思うようになってきました。順位こそがビジネスにとって本質的な数値。特に、1位(金メダル)または2位(銀メダル)または3位(銅メダル)をとったかどうか、ということが本質的なのではないか、と。


そのことが実は、経営学的にも今重要なテーマである、ということが、「世界の経営学者はいま何を考えているのか:入山章栄:英治出版」に紹介されていてびっくりしました。

統計学とは根本的に「平均」の概念にもとづいた手法であり、そのことが経営学の目的になじまないこともあるのではないか・・・従来の研究が、利益率や市場シェアを企業パフォーマンスの指標として用いていたのに対し、その市場での「勝利」の回数、すなわち、業界でのランキング一位を獲得した回数を分析して、市場シェアがニッパチの法則(20:80の法則)に従うことを明らかにした研究が紹介されています。


話は変わりますが、血液型による性格診断には、統計的な根拠がない、ということはご存知でしょうか?ウィキペディアにも詳しく解説されています。

いくら性格検査で測定しても、血液型による有意な性格の差は見られない、というのです。しかし、血液型による性格の違いはあまりにも当然であるように我々は感じています。時には、さすがに表立ってではありませんが、チーム作りや採用判断に使われたりします。 他人の血液型を8割方誤りなく当てることができる人のことを私は知っています。つまりその差は確かに存在するのでしょう。つまり、科学的にはほとんど検出できないくらいの微細な差が存在し、それをとらえて、我々は人を分類したり、ラベルを貼ったりして、人間関係のマネジメントに使っているのです。

そして、これこそが、実は、ビジネスの重要な側面ではないでしょうか?絶対的な値で見ればほとんど測定できないようなものをとらえて、我々はランキングをつけており、一位とそうでないものとの間には、天と地ほどの差がついてしまう。それこそがマーケティングが扱う領域。ヒット商品と鳴かず飛ばずの商品とのスペックの差を計量化しても、見えるか見えないかほどの違いでしょう。おそらく、容姿といったものも、軽量化しようとするとそうなのでしょう。


そして確かに、絶対値的には有意かどうかも疑わしい些細な違いであっても、それに基づいて人や組織を、様々な角度からランキングすると、組織の姿がかえって鮮明に浮かび上がってくるのです。例えば、従業員意識調査の結果に基いて、「管理職のモラールの部署間ランキング」「一般社員のモラールの部署間ランキング」を作成して、次のように部署をプロットしてみるだけで、そこから各部署における、人のエネルギーの働き方の違い、リーダーシップの働き方の違い、が浮かび上がってきます。

モラールの部署間ランキング

これを絶対値で分析しても、「管理職の方が一般社員よりもモラールが高い」という当たり前な結果しか導けない場合が多いのですが・・・

「相対評価でなく絶対評価をせよ」「自身のあるべき姿と比較せよ」・・・と言っても、知覚の原動力はランキング。我々は無意識の中で様々な角度から相対比較してランキングして何か買うかを決め、人を選び、配置する。「ランキングが好き」「他との違いが気になる」というのはビジネス世界の原理として、どうやら正しいのです。ランキングの縦横無尽な活用の仕方を検討しましょう。




プロフィール

写真:南雲 道朋(なぐも・みちとも)
株式会社HRアドバンテージ取締役
南雲 道朋(なぐも・みちとも)

株式会社HRアドバンテージ取締役。富士通でシステム開発企画、マーサージャパン等の外資系コンサルティング会社で業務改革/マネジメント改革/組織改革/人材開発を横断するプロジェクトの企画・推進を行ってきた。分野を横断するシステム思考の実践を基本姿勢とし、近年は人と組織のデータ活用の仕事に注力している。著書に、『多元的ネットワーク社会の組織と人事』(ファーストプレス)、『チームを活性化し人材を育てる360度フィードバック』(共著、日本経済新聞社)、『図解戦略人材マネジメント』、『実践Q&A戦略人材マネジメント』(以上共著、東洋経済新報社)がある。

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