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最新人材マネジメント情報

自社の本当のコアスキルは何か?そしてそれを全員が身につけているか?

Facebookのスピード感、すなわち、日々サービス内容が進化して、世界中のコミュニケーションを軒並み飲み込んでゆくかのようなスピード感には驚くばかりです。そして、つまるところシリコンバレー全体がそうなのです。そのスピードでもって日本を初め世界をぶっちぎっているのです。そのスピードの秘密はどこにあるのでしょうか?

それは、端的に、開発企業は「プログラマーしか採用しない」ということにあると言ってよさそうです。マーク・ザッカーバーグは、「Facebookは早い時点から、人事やマーケティングのような、プログラミングが主な仕事ではない職種についても、プログラマーを採用すると決めました」と2007年の講演で語ったそうです。

およそシリコンバレーにおける技術者の採用とは、徹底的に技術者集団による技術者の採用であり、プログラミングそのものの課題をその場で出して、実際にプログラミングをさせて議論しながら、対象者の技術力そのものを見極めるものであることが知られています。(興味深いケースとして、例えば、「Twitter 社採用面接受験記」

つまり、端的に言えば、シリコンバレーでは原則として開発に関わる全社員が「プログラムのコードを読める」のです。つまり、そこでは仕様書など不要なのです。つまり、(日本であればそのために過半のエネルギーを費やすであろうような)「システムの仕様についての役員へのプレゼン」も「パワーポイント資料」も不要なのです。・・・であれば組織のスピードがぶっちぎりで早くなるわけです。

これを一般化すると、次のことが引き出せます。

メンバー全員が事業の「コア」となる共通のスキルを身につけていることで、企業活動のスピードが圧倒的に速くなる。(そのスキルを持たない者のために余計な翻訳をする必要がない。スピードを遅らせる必要がない。)

その「コア」の発揮に事業の成否がかかっているならば、その発揮を妨げないことを最優先とする。コアに他の全てを合わせるものとし、他のリソースは、コアの発揮を促進できるように振る舞う。(そのためにも、そのメンバー全員が「コア」の一員となる。)

このことこそ、世界で戦えるための必須事項ではないでしょうか?自分の組織において、価値を生んでいる「コア」のスキルは何でしょうか?そして、そのコアについては全員が身につけるよう徹底させているでしょうか?例えば、社内の勉強会には職種・役割・階層問わず全員参加するのが当たり前になっているでしょうか?



こうして振り返ると、世界で勝っている企業は等しく、コアが何かが明確でそのコアを全員が身につけるものとしているのです。伝統的な大企業であってもそうです。

例えば、家庭用品業界のますます盛んな巨人であるところのP&Gは、「イノベーション」で世界をぶっちぎると決めたならば、「P&Gの社員は、創造力と規律をもってイノベーションを着想し管理する方法を知っているイノベーションリーダーです」と世界に宣言し、イノベーションの必須行動を定式化し、それを「アドミスタッフからCEOまで全員」に求めています。

日本企業であっても世界で戦えている組織というのはそうです。トヨタ生産方式が、製造現場にとどまらない「仕事の哲学」になっているのは、最も典型的な例でしょう。

あるいは、任天堂は代表取締役社長および代表取締役専務の経営トップ自らが、クリエイターであり開発者でありゲーマーであり、そのトップを中心に全員が開発プロセスに参加するような経営であることが知られていますが、それも一例であると言えるでしょう。

あるいは、太陽電池製造装置で世界の約50%のシェアを持つアルバックという会社があります。同社も社長以下の「全員会議」で開発が進むことが知られています。テーマ別の開発会議には、社長、役員、事業部長、新入社員までが顔を揃え、入社1年目2年目の人たちが発表する場合もあるということです。そこにおける共通言語は同社のコア技術である「真空技術」の言葉ということになるでしょう。

あるいは、「百万分の一の歯車」で有名な「樹研工業」という精密部品メーカーがあります。超精密部品の精度を出せる金型製作が命ということになりますが、そのため、新人全員に、「最初はコンピュータを使わせず、焼き入れと内面研磨の二つをじっくりとやらせる」のだそうです。それによって「金属の微細なクセ」が体で身につき、それがコンピューター加工では出せない差別化の基礎になるわけです。

もともと日本企業は、他の国の企業にはない「全員共通のコアスキル」を持つことで高生産性を実現し、高度な発展を遂げたのでした。そのコアスキルとは、「日本人であること」、すなわち「空気を読む力」、あるいは「あうんの呼吸がわかる力」、それによる「擦り合わせる力」でした。しかし、世界のデジタル化と水平分業化が進むとともに、それだけでは「コア」たりえなくなり、全員が共有するものをもっと絞り込む必要があるのだ、と言えそうです。

(HRアドバンテージであれば、
  1.働く人への共感を基礎に、
  2.人材像を構造的に把握し、
  3.それをデータとして扱う。
・・・というところがコアになるわけですが、これを全員が身につけることこそが事業発展の基礎なのだな、と想いを巡らせ中・・・)

プロフィール

写真:南雲 道朋(なぐも・みちとも)
株式会社HRアドバンテージ取締役
南雲 道朋(なぐも・みちとも)

株式会社HRアドバンテージ取締役。富士通でシステム開発企画、マーサージャパン等の外資系コンサルティング会社で業務改革/マネジメント改革/組織改革/人材開発を横断するプロジェクトの企画・推進を行ってきた。分野を横断するシステム思考の実践を基本姿勢とし、近年は人と組織のデータ活用の仕事に注力している。著書に、『多元的ネットワーク社会の組織と人事』(ファーストプレス)、『チームを活性化し人材を育てる360度フィードバック』(共著、日本経済新聞社)、『図解戦略人材マネジメント』、『実践Q&A戦略人材マネジメント』(以上共著、東洋経済新報社)がある。

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