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最新人材マネジメント情報
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24時間戦えますか?なぜですか? ・・・今こそ根源的な動機や価値観を問う

「最新人材マネジメント」は「最新の人材像」と表裏一体です。人材マネジメントを効果的に進めるためには、求める人材像を明確に定義することが鍵になります。求める人材像に照らして評価・処遇を行い、求める人材像との間にギャップがある場合には、採用や能力開発など、人材開発施策を打っていくことになりますが、技術の変化や市場の変化をはじめとする経営環境の変化によって、求められる人材像は大きく変わります。昨年からの金融危機はそれに拍車をかけていると言えるかもしれません。例えば「持たざる経営」とそれに見合った人材像への転換が加速することなどが予測されます。そして、人材像が変わるからこそ人材マネジメントのトレンドも変わる、と言うこともできます。

そのためにも、人材像を議論するための枠組みをしっかりと持っておくことが必要になります。新刊の第4章にもまとめておりますが、人材像は次のような枠組みの中で議論し、定義することがオーソドックスな考え方です。
【第4層】業務経験
【第3層】知識・技能
【第2層】行動能力(コンピテンシー)
【第1層】根源的な動機や価値観

近年よく指摘されてきたように、激しい変化の中では、単に履歴書に現れた過去の「業務経験」や、資格試験を初めとする「知識・技能」だけによっては、求める人材像を定義し、人材像とのフィット&ギャップを議論することはできません。もっと根源的な能力を議論する必要があります。たとえば、刻々と変化する環境の中で成果をあげるために、どのような「ストレス耐性」が求められるのか、どのような「チーム構築力」が求められるのか、どのような「情報分析のフレームワーク構築力」が求められるのか、ということを明確にした上で、そのような要求に対して応えることはできますか、と人材一人一人と議論しておく必要があるわけです。それが「行動能力(コンピテンシー)」の議論でした。

そして今現在、「行動能力(コンピテンシー)」よりももっと根源的な、「動機や価値観」に遡って、人材一人一人と目を見合わせて、意識合わせをする必要が出てきているように思われます。一言で言えば「戦う気持ちがどこまで本当にありますか」ということを十分に意識合わせする必要が出てきていそうだ、ということです。

それは、上昇志向を持たない「ニート」世代を採用・育成するような文脈だけではありません。資本主義社会への自信が大きく揺らいでいる今、著名な経済学者が「懺悔」をして「ブータン」を賛美し始めたということが話題になったりしていますが、そのような中、あらゆるビジネスマンがお互いの立ち位置を確認しあうべき時であるように思われます。

そのような観点から、大前研一氏の今年に入っての近著、『「知の衰退」からいかに脱出するか』(光文社)は興味深い示唆を含んでいます。ビジネスマンが備えるべき能力として、「英語力」や「IT力」、「論理的思考力」や「問題解決力」を強調してきたことで知られる大前氏ですが、同書ではそれらに加えて、「根源的な動機」そして「教養」の問題に踏み込んでいることが注目されます。

同書で大前氏は、日本人が空前の「思考停止」状態に陥っていることを指摘し、その背景に「スモールハピネス(小さな幸せ)でいい」という集団的なささやきがあることを指摘しています。そして、最近のベストセラー『国家の品格』の議論などは、「思考停止のすすめ」のささやきに他ならないことを喝破しています。その指摘にはおおいに頷かされるとともに、「そのささやきに対して、あなた自身はどのように対応していますか?」ということを、若年層からミドル層からシニア層まで含めて、話し合ってみる価値がおおいにあることに気づきます。そのような、仕事への取り組みの姿勢をお互いに確認し合わなければ、強いチームは生まれないと思われます。

そして大前氏は、世界的に「教養」の意味が変化していることを指摘しています。根源的な価値観を樹立するためにこそ「教養」の意味があると考えられるわけですが、その中身は、昔のような「文学や芸術への造詣」ではなく、ずばり、「近年の環境問題とその対策についてどう思いますか」といった問いに対して答えることができるかどうか、ということになりつつある、というのです。つまり、「価値観としての地球人」を表現できることが求められつつある、というのです。すなわち、今、地球人一人一人が感じている問題を受け入れつつ、その問題を共有し、立ち位置を確認し、ビジネスマンとしてお互いに次に進むためのステップを踏みなさい、ということであると言えます。

以上、21世紀初頭の根源的な問題に対して自分としての姿勢を明確に表明できること、ということを人材要件の一つとして、採用においてもキャリア開発においても確認しあった上で、人材開発や組織開発に取り組むならば、本気度のアップした一皮向けた強いチームができあがると言えないでしょうか。そしてそのプロセスは、人材マネジメントをどう変えるでしょうか。

プロフィール

写真:南雲 道朋(なぐも・みちとも)
株式会社HRアドバンテージ取締役
南雲 道朋(なぐも・みちとも)

株式会社HRアドバンテージ取締役。富士通でシステム開発企画、マーサージャパン等の外資系コンサルティング会社で業務改革/マネジメント改革/組織改革/人材開発を横断するプロジェクトの企画・推進を行ってきた。分野を横断するシステム思考の実践を基本姿勢とし、近年は人と組織のデータ活用の仕事に注力している。著書に、『多元的ネットワーク社会の組織と人事』(ファーストプレス)、『チームを活性化し人材を育てる360度フィードバック』(共著、日本経済新聞社)、『図解戦略人材マネジメント』、『実践Q&A戦略人材マネジメント』(以上共著、東洋経済新報社)がある。

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