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最新人材マネジメント情報

Beyond HR - 人事を超えて戦略部門になる

beyondHR
  • タイトル:Beyond HR: The New Science of Human Capital
  • 出版社:Harvard Business School Pr
  • 出版日:2007/6/30

先にご紹介したワークフォーススコアカードと同系統、パラレルな議論を行っている本です。出版社も同じ。ワークフォーススコアカードが「HRスコアカードを超えたワークフォーススコアカード」を提唱していたように、この本は「HR部門がHRを超えた戦略部門になること」を提唱し、そのためになされるべきことのフレームワークを示しています。

人事は戦略部門たれ!・・・この悲願は以前から繰り返されてきたものでありまして、私達も以前、『図解戦略人材マネジメント』『実践Q&A戦略人材マネジメント』といった書籍を通じて戦略人材マネジメントの概念を世に広めようと努力し、後者の第1章および第2章などは、米国の本には決して見られないくらい具体的に「戦略を人材像に落とし込んで人事の仕組みを作る」考え方を書いたものだと今でも思いますが、洋の東西を問わず、人事部門の戦略部門化はなかなか進んでいないのが現状だと思います。

そのような中での、米国での最新の議論です。本書はフレームワークを提示する本でありますので、フレームワークを眺めてみることで、概要を把握することができます。本書の図表は、ワークフォーススコアカードと違って、ウェブ上にアップされているということはありませんので、特別に作画しちゃいましょう!まずはこれ。

これが何を言っているかというと、財務の公式が次の公式に集約されることで、財務部門が戦略部門になったように、 

   利益        総資産       売上         利益
  ――――  =  ――――  ×  ――――  ×  ――――
  株主資本      株主資本     総資産        売上

それに相当するHRの公式を作ろう、それによってHR部門は戦略部門に変貌する、と言っています。その時にはHRとは言わなくなり、ファイナンスやマーケティングと並ぶ、タレントシップという分野として確立されることになるだろう、と言っています。公式は左から右へと読みますが、図は下から上へと読みます。さらに少し解説を加えた図が次のもの。

本の中ではさらにこれが詳しく解説されていきます。たしかに、これを用いて人事に関わる問題点とその影響を広い視野から整理することができます。この全てについて、上の箱から下の箱まで一貫する形で、人事部門が中心的な役割を果たすべきことを、本書は主張しています。さて、いかがでしょうか?これらを人事部門で具体化する姿がイメージできますか?私は一つ、IT人材マネジメント分野における実現をイメージします。とはいえ、しかし、企業一般を想定したとき、人事部門がこのように活動を広げて変貌する姿はなかなかイメージできない、というのが現実だと思います。米国アマゾンに載っていた次のレビューに私も共感します。  「企業内マネジメントの政治な性質を考えた時、HR部門が本書に描写されたような道筋で権力を増していくことが受け入れられていくとは到底思えない。そして、タレントシップという分野がファイナンスやマーケティングと同じような戦略的な分野になるとも思えない。もちろん私が間違っている可能性はあるが。(Craig Matteson氏によるレビューより)」

つまり、戦略を考え、その実現のために必要なリソースとプロセスを考えるのは、普通ライン部門であって、そこをライン部門が握る以上は、人材の調達や開発を行うのもやはりライン部門になるのが道理なのです。ライン部門からすると、人事部門はしゃしゃり出ないでもらいたい、ということになります。財務部門が資本市場をバックに、マーケティング部門が「コーポレート・ブランディング」をバックにラインへの影響力を増していったように、人事部門もパワーを増す上では、ラインよりも強いパワーの源泉を手にする必要があります。それは何でしょうか?・・・ビジネス戦略が、個々のビジネスユニット=ラインでは完結できなくなっている、ということがそれにあたります。そのことを、IT人材マネジメントのイメージで近いうちどこかに書きます。 既に一部はこちら(『多元的・・・』)に書いてはおりますが。





プロフィール

写真:南雲 道朋(なぐも・みちとも)
株式会社HRアドバンテージ取締役
南雲 道朋(なぐも・みちとも)

株式会社HRアドバンテージ取締役。富士通でシステム開発企画、マーサージャパン等の外資系コンサルティング会社で業務改革/マネジメント改革/組織改革/人材開発を横断するプロジェクトの企画・推進を行ってきた。分野を横断するシステム思考の実践を基本姿勢とし、近年は人と組織のデータ活用の仕事に注力している。著書に、『多元的ネットワーク社会の組織と人事』(ファーストプレス)、『チームを活性化し人材を育てる360度フィードバック』(共著、日本経済新聞社)、『図解戦略人材マネジメント』、『実践Q&A戦略人材マネジメント』(以上共著、東洋経済新報社)がある。

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